こじらせヒストリー

まいど。
左腕に採血跡バリバリ青タンの
古ギツネだす。
血管の細さでは定評(?)がござる。
前回より1週間おかず
再びの採血。
当然。
青タンの上にさらなる
青タンが予想される。
でもいいのさ。
それで命拾いしたことあるし。
毎回。
注射器が己の血液を
吸い取ってゆくサマから
視線をそらさない。
しっかりくっきり
目に焼きつける。


過去。
たまたま。
いろんな伝説的ライブに
居合わせた。
ロック。
クラシック。
ジャズ。
自分で言うのもアレだが、
不肖キツネが
その場にいるライブは
アマだろうとプロだろうと
異様に盛り上がる。
もちろん。
内容がよければ、
の話である。


ダメなら途中で帰っちゃうからね。
海外クラシック演奏家の場合は
舶来マンセー阿呆どもが
アンコールを求め、
そやつがステージに
戻ってきたタイミングで席を立つ。
当然、目立つし、
日本の聴衆を陥落させるなんざ、
超簡単と思ってやがる
勘違い野郎どもへの
イイお灸になるのよ。


いい加減、
舶来モンを盲目的に
信奉すんのはやめろ。
過去の遺産を
冷凍食品よろしくチンして
ありがたがるのもイイだろう。
が。
演奏家たちにとって、
名盤(特にジャズ)は
たまたま一度限りの
化学反応に過ぎない。
彼ら自身すら、
我々ほど当の録音を
繰り返し聴いたかどうか?


音楽はイキモノ。
ナマモノ。
そもそも。
かつて録音なんか
存在しなかったんだってば。
今。
ここで。
同時代を生きてる日本人を
我々が聴かずして
他の誰が聴くよ。
もっちろんナマでだ。


しかし。
耳を傾ける者は少ない。
そして。
皮肉なことには、
ナマ音最優先に
ふれてきたはずの
不肖キツネ自身が
疲弊するありさま。
アタシゃ
ボランティアじゃないのよ。
愛は無尽蔵じゃないのよ。


音楽。
文学。
アート。
ファッション。
好みの分野における
固有名詞を理解し、
共有する人間が
周囲に少ない
古ギツネにとって、
名古屋はパラダイスだった。
こっちが1発投げれば、
30発ぐらい返ってくる。
もったいないことに、
生き字引とさえ
呼んでいただき恐縮至極。


周囲が聞く耳持たん状況と
わかってはいても、
このまま去りたくないのよ。
(本業に関してはもういい。
貴重な資料はすでに
愛弟子に託した。)
何かを残したい。
伝えたい。
願わくは
わかち合いたい。
世代を超えて。
人生はイキモノ。
ナマモノ。
また一緒に踊ろうね。
生きてるうちに。
こじらせギツネより。