元号ロック西暦ロック

あっという間に師走。
公開中の映画
「さらば青春の新宿JAM
THE COLLECTORS
の上映期間が12/6までと知り、
あわててMM地区
ワールドポーターズ
イオンシネマへ。
上映は1日たった2回、
それも夜だけ。
が。
横浜で見られるって
だけでもありがたい。
内容はコレクターズの
ドキュメンタリーでありつつ、
モッズとは何ぞや?を
あらためて認識させられる
きわめて上質な作り。
演奏シーンでは
完全にライブハウスの
中にいる感覚に陥った。


しっかし。
イギリス本国で
30年以上も活動してる
モッズ・バンドは
皆無だというのに、
この息の長さは驚異である。
皮肉とも言える。


コレクターズの音楽は
加藤ひさしの類まれな
文才に負うところが大きく、
本国の猿真似では全くない。
日本人による
日本語のロック。
欧米のロックが
西暦ロックとするなら、
純然たる元号ロックである。


不肖キツネ、
ジャンルを問わず
海外の音楽も大いに
好んできたが、
血肉となっているものは
やはり昭和歌謡に尽きる。
特にGS=グループサウンズ
あんなキテレツな
ムーブメント、
世界中を見渡しても
どっこにもないぞよ。
いわば。
昭和という時代の徒花だが、
あのB級感が
たまらん魅力なのよね。


コレクターズが一時、
ネオGSブームのくくりで
とらえられていたのも、
決して偶然ではなかったと思う。
本作品のパンフ中で
映画評論家の森直人氏が
こんなことを書いている。


《「売れる」という点において
THE COLLECTORS
最初にビートルズ
次にブルーハーツ
なり損ねたバンドとも言える。
しかし、だからこそ
A級の万人性より
B級の先鋭性を愛する
者たちの宝となったのだ。
これぞ極めて「モッズ」的な
志向ではあるまいか。》


コレクターズが
モッズであろうとなかろうと、
さして重要ではない。
確かな音楽的審美眼を
持つ聴き手なら、
必ずや彼らの世界に
引き込まれるであろうから。
ちなみに不肖キツネ、
モッズは大好きだが、
モッズではありません。
昭和歌謡と古着を
こよなく愛す単なる
古ギツネでございます。