燦々 vs 黒々

jazzydays2008-03-08

梅田望夫
サバティカル前の
最終章となる著書、
『ウェブ時代5つの定理』を読む。
彼の本は今まで
全部目を通してきたが。
コレが一番、期待ハズレだったな。
過去の著作で
意味もなくこちらを
ワクワクさせてくれた
あの高揚感が欠落している。


ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!

ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!


つまるところ。
シリコンバレー
IT専門家たちによる
名言の数々を解説するのみに
とどまっているのだ。
コレ以外の本は
いずれも非常に刺激的だったのに。


シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)

シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)


ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)


ウェブ人間論 (新潮新書)

ウェブ人間論 (新潮新書)


フューチャリスト宣言 (ちくま新書)

フューチャリスト宣言 (ちくま新書)


ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)


ここ数年の
ベストセラー多発で
梅田さん、
相当くたびれたのか。
まあね。
例によって。
内容は西海岸の太陽燦々
って感じで実に
「あっかるい!」んだけどね。


その後。
高原英理(たかはら・えいり)の
『ゴシックハート』を数年ぶりに再読。


ゴシックハート

ゴシックハート


文句なしに名著である。
暗澹としている。
黒々とした
死と闇の匂いに満ち満ちている。
以下、名文を何箇所か引用。


≪意識すればするほど、生きるとは
 不幸という大波の上で
 波乗りをしていることと
 思えてこないだろうか。
 そして絶望的なことに人生は
 一回限りで、やり直しはできない。
 誰もが時間とともに身体と精神を
 損なってゆく。
 われわれは生まれた瞬間から
 日々壊れつつあるのだ。≫


≪ゴシックの心とはまたひたすら
 「様式の美しさ」を愛する心でもある。
 それが芸術的主張として
 現れたのが耽美主義だ。
  (中略)
 ヨーロッパの世紀末に最も
 盛んとなったこの思潮は、
 最初から太陽の照りつける
 昼の思考ではなかった。≫


≪タトゥーもピアスも髪を染めることも
 事実上サイボーグ化への第一歩である。
  (中略)
 われわれは今のところ、
 身体に規定される意識であることから
 できるだけ逃れ、意識に合わせて
 身体を規定したいという
 止み難い欲望を持っている。
 ゴシックの精神はそこに注目する。
 ゴシックは決して「ナチュラル」の
 思想ではない。≫


く〜っ!
シビレるじゃありませんこと。
コレですよコレ。
ああ、しかし。
風邪が治らん。
ストーカーなみの
しつこさ。
どーにかしてくれよ。
日がな1日、
寝床で本とメイクラブだぜ。
画像は久々、食品サンプル・シリーズ、
まんまだよ「こぼれたケチャップ」。