こびりつく記憶

生まれてから
小学校を卒業するまで
住んでいた家の夢を
いまだに繰り返し見る。
その後ずーっと
住んでいる
この家はめったに
夢に出てこないから、
赤子の頃より思春期前、
多感な時代の情景が
深く焼きついているのだろう。
まるでストーカーのごとく
脳内にこびりつき、
つきまとう記憶。


えてして金縛りを
伴うのが困りモノじゃ。
昨夜から今朝にかけては
実に3回。
やむを得ず、
盟友ソラ君
(安定剤Solanax)を
その都度服用したせいで、
頭ぼんやり
足元フラフラ。


金縛りには前触れがある。
まず。
ゾワゾワと背後から
寒気が忍び寄る。
普段は聞こえない
金属音っぽいものが
耳の奥に鳴り響く。
「来やがったな」
と思った瞬間、
ナニモノかの重量が
ズズーンと体に
のしかかっている。


現象としては
REM睡眠時、
体は熟睡してんのに
頭はハンパに覚醒してる際に
起きると理屈では
わかっちゃいるけどな。
十代っから何百回と
経験してるが、
イヤなもんよ。
意識はあるのに
動けない、
声も出ない、
ってぇのは。


たぶん。
あの金属音が
発生する時点で
精神の置きドコロが
アッチとコッチのハザマに
陥っちゃうんじゃないかと。
いわゆる変性意識状態。
Another state of mind とか
Altered states ってヤツだ。
不肖キツネは経験ないが、
人によっては、
幽体離脱したりね。
明日は若くして
亡くなった従弟の
四十九日に参列します。