タテの会

jazzydays2013-10-01

十月である。
丸3か月でまた正月である。
その前に。
またしてもハロウィンやら
クリスマスやら
商業主義のバカっ騒ぎが
巷で繰り広げられるのかと思うと
ホンットにゲッソリするわい。
しつっこく毎年繰り返しておりますが。
ワシゃ十七の年っからこのかた
切支丹イベントを
ひとっつも祝っておりませぬ。
(上記いずれも切支丹以前の
 祭祀の換骨奪胎。)


それにしても。
やけに早いと思わんかね、
歳月のスピードが。
実際。
時の流れは格段に
スピードアップしておるのよ。
ほんの数十年前いや十年前に比べりゃ。


携帯電話にカメラ機能が
加わってから、
一般人が撮る写真に
タテ位置構図が
グンと増えたという。
それまで普通のスナップ写真と言えば
ほっとんどがヨコ位置構図。
てぇのもカメラ自体が
ヨコ撮りしやすい形状だったがゆえ。
つまり。
人はめったなことでは
与えられた条件を変えない、
冒険しないらしいと
どっかで読んだわ。
これなる古ギツネの場合、
ナニが理由か知らんが、
携帯電話が出回る以前っから
タテ撮り好きであった。
(注:ハーフカメラはフィルム1コマを
 2分割するため通常撮影で
 タテ位置となる。)


片岡義男との初遭遇は
彼がまだ翻訳家だった頃にさかのぼる。
のち作家としての肩書が
加わってからも
かなーり読んだ。
このあたり作風が
全く異なるけれど、
荒俣宏と似てるパターン。
さてその片岡が写真家でもあると
知ったのは相当あとになってから。


東京のクリームソーダ

東京のクリームソーダ


発表された写真集に
おさめられた作品の
ほとんどすべてがタテ撮り、
と知った時はうれしかった。
煤けた食品サンプル
うらぶれた商店街ばかり
好んで撮る彼は
洒脱な恋愛短編を次々生み出す
作家・片岡義男とは
まるっきり別人で、
新鮮なショックを受けたものだ。



たぶん。
片岡義男=写真家と
認めたくない人々も
少なくなかろうと思う。
被写体があんまりにも
フツーすぎ、
卑近すぎ、
シロウトにも撮れるような
印象の作品ばっかりだから。
そんでも。
やっぱマネできないんだよ。
あの切り取り方。
あの光の加減。
いつまでも若々しく、
永遠の青年みたいな彼だが、
気づけば古希をはるかに超えている。
そりゃあ。
不肖キツネも
トシ取るはずだぁね。