神なき国の神がかり

jazzydays2009-06-27

昨日の続き。
クラシック海賊盤
私が最も多く
買い求めたのは
クラウス・テンシュテット
ルドルフ・ケンペ
どちらも東独出身の指揮者。
惜しくも彼らのナマ演奏には
ふれることが
できなかった。


もし。
テンシュテット
マーラー2番「復活」と
ケンペの
ブラームス1番を
目の前で聴けたとしたら。
会場に着いた時点と
去る時点では
全く違う人間に
生まれ変わったような
衝撃を味わったことと思う。
音質の悪いCD-Rの数々が
そこまで感じさせるほどの
起爆力を秘めているのだ。


テンシュテットについては
以下の書籍と
過去のブログを
参照されたい。
http://kbookshelf.blog43.fc2.com/blog-entry-11.html
http://d.hatena.ne.jp/jazzydays/20081118
http://d.hatena.ne.jp/jazzydays/20060605


巨匠神話

巨匠神話


ケンペについては
書きたいことが
ヤマほどあるけれど。
また別の機会に。


指揮者ケンペ 尾埜善司

指揮者ケンペ 尾埜善司


とにかく。
彼のブラームスは絶品よ。
生命力に満ち満ち、
人間味にあふれ、
温かく切なく
歌心いっぱい。
「血の通った」ブラームス
下記は名盤中の名盤。
海賊盤ではありませぬ。)


Brahms: The Four Symphonies

Brahms: The Four Symphonies


テンシュテット
ケンペ、
コーガン、
ギレリス、
フェドセーエフ
スピヴァコフ、
トレチャコフ、
ジューコフ
フリッチャイ
アンダ etc.,


私が猛烈に
磁力を感じる
クラシック演奏家
圧倒的に
社会主義圏出身が多い。
かつての神なき国々。
しかし。
ここでソ連時代の
代表的作曲家、
ハチャトゥリアン
セリフを借りよう。


「私にとって作曲することは
 祈るようなものだ。
 作曲する時の私は
 恍惚状態にある。
 そして聞こえてきたものを
 書くのだ。」


ハチャトゥリアン

ハチャトゥリアン


まさしく。
音楽の女神のささやきを
「お筆先状態」で
書きとめているようではないか。
神なき国にも
神は降り立つ。


すぐれた作曲家・演奏家
本人が意識する、しないに
かかわりなく
皆一様にミューズの下僕。
つまりは。
音楽という手段を通じて
聖なる次元と
人間界とをつなぐ
憑子(よりまし)、
チャネラー的存在なのである。


おしまいに。
私信&謝辞。
かつて。
相鉄ジョイナス内の
クラシック専門店
新星堂ディスクインの
店長をつとめていらした鶴見さん。
そして。
伊勢佐木町の丸井にあった
ヴァージン・メガストア
クラシックを
担当なさっていた吉田さん。
お二人とも
私の頼もしい先生でした。
どうかお元気で!