血の寄り合い

従弟の告別式終了。
通夜でずいぶん泣いたので、
もう涙は出ないんじゃないかと
思ったけれど、
やっぱり泣いた。
精進落としの席では
久々に会った
88歳になる伯母に
「こんないい子に育って」
と頭を撫でられ、
また泣いた。
すっかり子供返り。
だって。
こーんなトウの立った
古ギツネを
いったい誰が「よしよし」
してくれますかい。
血のつながりは不思議だ。
何十年ぶりに
顔を合わせても即、
息が通じ合う。
イイ年をした
おっさんオバチャンが
互いに「ちゃん」づけで呼び合う。


親戚づき合いは
ウェットで鬱陶しい、
と遠ざける人もあろう。
が。
彼ら彼女らを除いては
地球上どこにも
いないんだよ。
自分と同種の血液が
体内に流れてる
貴重なイキモノは。
だから。
会えるうちに会っとこう。
体温を言葉をわかちあっとこう。
Before it's too late.