スキンヘッド・レディ・マクベス

jazzydays2013-08-09

マクベス
リチャード三世、
ジュリアス・シーザー
数多いシェイクスピア作品の
中でも上記3本を
偏愛する不肖キツネ。
今夏は幸いにも
うち2本を立て続けに
見る機会に恵まれた。
まず先月のシーザー。
http://d.hatena.ne.jp/jazzydays/20130718


この8日には
d'UOMO ex machinaという集団による
マクベス、あるいは日本語のこの百年」
を東松原ブローダーハウスにて鑑賞。
演出は角本敦(かくもと・あつし)。
脚本は森鴎外訳。
今年は彼が「マクベス」を
翻訳してからちょうど百年目とか。
図書館で借りて目を通してみると、
生硬ながらも格調高い
現代語訳(大正初期当時の)である。


上記「シーザー」で
キャシアスを演じていた
河内大和(こうち・ひろかず)
http://ameblo.jp/kazu-kochi/entry-11578384308.html
が何とマクベス夫人役というので
期待大の舞台であった。
調べてみたら彼を最初に見たのは
もう7年も前になる。
http://d.hatena.ne.jp/jazzydays/20060909


今回の公演では
特別な衣装もなく、
河内マクベス夫人は
スキンヘッド、ヒゲ、普段着で熱演。
それでもなおかつ
浮かび上がるfatalな
毒婦の色香と傲岸さには
目を見張らされた。
やっぱり夫人役は男に限る!


惜しむらくは。
俳優たちが全員、
台本を手に持ったままだったこと。
つまり。
演技(ってか謎のアクション)を
伴う朗読劇ってことか?
ならば事前にその告知が欲しい。
そして、もし朗読に徹するならば
オペラの演奏会形式のように
それぞれの立ち位置で朗々と
セリフを読み上げてくれたほうが
よかったと思う。


また。
公演時間が2時間半超と
長丁場なのに休憩時間がなく、
開演に先だって知らせもなかったので
座りっぱなし、
ノド乾きっぱなし、
しんどかったわい。
なのに舞台上では時折
ペットボトルで水分補給...。
(T_T)


さらに。
旧かなづかいで書かれた
鴎外テキストをそのまま
「文字通り」発音していたのは
どういう意図によるものだろう。
のみならず。
「は」=「fa」、
「さ」=「sha」、
「い」=「wi」、
「か」=「kwa」等々の
古代日本語風発音が加わることにより、
ただでさえ生硬な鴎外訳文が
いっそう聞き取りにくかったのが
残念であった。
歌詞入りのBGM使用も
それに拍車をかけていた。


しかし。
どういじられようと
どっこい、
シェイクスピアシェイクスピア
作品自体が強靭であるがゆえ、
そんじょそこらのことではコワれない。
優れたカツゼツと声量を持つ
役者の舌に乗せられると
俄然スウィングするんである。
こたび河内大和を
再発見させてくれた
子供のためのシェイクスピア・シリーズには
感謝したい。
おかげさんで滅多に見られぬ
スキンヘッド・レディ・マクベス堪能したぞよ。
ろけんろー。
http://ameblo.jp/kazu-kochi/entry-11593974397.html