パンク詩人アルチュール

jazzydays2012-09-01

≪もう秋かよ!
 まっ。
 オレたちが
 神聖なる光とやらを
 探し求めてるんなら、
 永遠の太陽なんかに
 追いすがるこたねーわ。≫
   by アルチュール・ランボー


暦が1枚めくられて
はや長月でござんす。
9月29日をもって
日中国交正常化より丸40年。
角栄よ。
なぜあの時、
台湾を選んでおかなんだ。
アンタの国辱娘を
某政党の代表に推す向きが
あるようだが、
全くもって噴飯モノである。
毛沢東も、
日本留学経験を持つ周恩来
去って久しい。
9月18日には例年にもまして
激烈な反日行動が起きよう。
慨嘆。
嘆息。
暗澹。


ランボーに話を戻す。
これまでいろんな翻訳を
読んできたけれど。
意外(邪道)な発見アリ。
稀代のパンク詩人は
英語で読むとガゼン、
ロケンロー!するんである。
とりわけ。
ワシが遭遇したWyatt Mason訳は
初版が2002年と新しく、
また訳者30代初めの仕事につき、
非常に若々しくシャープ。
たとえば「地獄の夜」のワンフレーズ。


≪われ地獄にありと思う、
 ゆえにわれ地獄にあり。
 教理問答の実行だ。
 私は自分が受けた洗礼の奴隷なのだ。≫
       宇佐美斉訳


ランボー全詩集 (ちくま文庫)

ランボー全詩集 (ちくま文庫)


コレがWyatt Mason訳だとこうなる。


I believe I'm in hell, therefore I am.
Catechism in action.
I'm the slave of my baptism.≫


Rimbaud Complete (Modern Library Classics)

Rimbaud Complete (Modern Library Classics)


A Season in Hell & Illuminations (Modern Library Classics)

A Season in Hell & Illuminations (Modern Library Classics)


カッケーなあ。
そう思わねえ?
日本語だと、
どうしても文字数が増えて
説明っぽくなっちゃうんだよな。
ランボーは難解、
と敬遠してきた人は
英語で読むとわかりやすいよ。
んもう目からウロコ。
さっすがロジカルな言語だわ、
日本語みたいに曖昧じゃない。
ズンズン頭を、
ハートを直撃する。
もちろん原文(フランス語)で
読めればそれに越したことはないが。
Mason訳じゃないけど
ネット上で英訳ランボー
読めるサイトもあるよ。
http://rimbaud10.blogspot.jp/


冒頭の「もう秋かよ!〜」は
不肖キツネの英訳経由による
試訳=Punky Fox Version。
右上の画像は最もよく知られた
ランボーのポートレイトだが、
同時代人たちに言わせると
実際には下記の画像のほうが
より本人らしさが出ているそうだ。



撮られたのは右上画像の
わずか2ヶ月前。
しかも同じ写真家によって。
ええっ。
同一人物に見えねーよ。
まあそこらへんのことは
Wyatt Masonの解説に詳しいので
興味ある人は読んでみて下され。