オリンピックのTV中継は
一切見ていない。
半日遅れの新聞報道で
ようやく結果を知る日々。
勝利は素直にめでたいと思うが、
今ひとつ熱い思いがこみ上げぬ。
この国はオレにとって
かくも遠いものと
なってしまったか。
色恋も。
文学も。
芸術も。
真のキラメキはデモーニッシュ。
すなわちタナトスである。
隠微で淫靡な退廃・陶酔は
いつだって背徳がバックボーン。
生殖とエロは両立しない。
かつて。
この国はその第一人者だったのに。
オレは生き延びる。
最後に高らかに笑う。
でなけりゃ。
あの時、死なずにすんだ意味がない。
西田税だって２.２６直前に
「自分は一度死んだ（暗殺未遂で）身だ。
今さらどうなっても構わん。」
と言ったそうじゃんか。
やれ恐喝屋だの政界ゴロだの、
あれこれ言われる西田だが、
あっぱれな最期だったらしい。
いわく。
「七生報国と言われますが、
私はこんな日本には二度と
生まれてきたくありません。」
そうして。
師の北一輝ともども
ついに天皇陛下万歳を
叫ぶことなく従容と処刑された。
憂国者に七生報国を
拒絶させる祖国とは一体、何か。
もうじき彼らの命日である。
オレのミッションは
まだまだこれからが勝負よ。
画像は近所の盆踊り会場にて。
