約1年半ぶりに新大久保へ。
東京グローブ座にて
演出・鈴木勝秀、
主演・篠井英介による
『欲望という名の電車』の
再演を観劇。
- 作者: テネシーウィリアムズ,Tennessee Williams,小田島恒志
- 出版社/メーカー: 慧文社
- 発売日: 2005/08
- メディア: 単行本
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
私が滂沱の涙を流した
青山円形劇場での上演から
早くも4年。
今回は主役以外のキャストを
大幅に一新しての試みだ。
主な配役は。
ブランチ、篠井英介(ささい・えいすけ)。
スタンリー、北村有起哉(きたむら・ゆきや)。
ステラ、小島聖(こじま・ひじり)。
ミッチ、伊達暁(だて・さとる)。
そして何と。
医師役に
元はちみつぱい&ムーンライダーズの
鈴木慶一。
余談だが。
年の瀬が近づくと、
頻繁に電車が止まるよな。
毎年お定まり。
このところ毎日のように
人身事故。
あるいは信号機故障。
皆さん。
生き急ぐのも
死に急ぐのも
カラダに毒ですよ。
さて。
『欲望という名の電車』の
電車は原題では a streetcar。
路面電車のことだね。
都電荒川線みたいな。
- 作者: Tennessee Williams,E. Browne,Robert Bray
- 出版社/メーカー: Penguin Classics
- 発売日: 2000/02/24
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログ (2件) を見る
平成を代表する女形・篠井英介
演じるブランチを拝めるのは、
実に残念なことに今回で最後という。
私にとっては、
彼以上のブランチを
想像することさえ不可能なのに。
だが。
誰よりも何よりも、
ブランチというキャラを
愛し抜いた彼自身が
そう決断したのだから
やむを得まい。
以下、公演パンフレットより
篠井自身の言葉を引用。
≪実は今回で封印しようと思っています。
僕は自分で演じるだけでなく、
他の方が演じても素敵な『欲望〜』であれば
どれも余さず観たいと思うほど、
この作品の大ファン。
だからこそ自分で演じることには
区切りをつけ、今回演じたことを糧に
また違う挑戦もしなければ、とも思う。
そのためには、いよいよ本当に
ブランチを成仏させなければなりません。≫
滅びゆく、
壊れゆく者の美学。
かつては。
ブランチを己の未来像にしてはいかん、
と恐れていたのに。
もはや。
ほぼ現状じゃんかよ。
http://d.hatena.ne.jp/jazzydays/20061112
亡くす。
無くす。
失くす。
すべてが指と指の間から
こぼれ落ちてゆく。
この作品に共感を持てぬ人間は、
私を永遠に理解も把握もできんだろう。
身近にそんなヤツがいるとは思えんし
(本日、劇場につどっていた
名も知らぬ多くの同志=観客を除き)、
土下座してまでお願いする気もないがね。
スタンリーを演じた北村有起哉は、
生涯にわたって
これを当たり役とした
故・北村和夫の息子だそうだ。
舞台に彼が登場して数十秒の間は、
「えっ?どれがスタンリー?」
と、他の男優連中にまぎれて
見分けがつかぬほどだったのだが、
ストーリーが展開するにつれ、
その存在感はグングン増していった。
ルックスは全然、父親似ではないけれど。
声が声が声が!
そっくり!!!
フローベールが残した言葉
「ボヴァリー夫人は私だ」と同様、
原作者テネシー・ウィリアムズにとっても
主人公ブランチは彼自身であろう。
そして。
この私にもそっくりだ。
違うのは。
ホテル・フラミンゴを
常宿にしてない点だけだね。
- 作者: フローベール,生島遼一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1997/05
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 40回
- この商品を含むブログ (57件) を見る