鈴木央紹トリオ@上町63

馬車道は上町63にて、
鈴木央紹トリオ。
パーソネルは。
テナーサックス、鈴木央紹(すずき・ひさつぐ)。
ピアノ、金伯英(キム・ハクエイ)。
ベース、工藤精(くどう・しょう)。
あらまあ。
今回は全員、ふりがなが必要じゃん。


この3人によるセッションは
初めてだとか。
いやあ、もう。
テンション・クオリティ共に高すぎ。
絶句。
以上。
ってなワケにもいかんので、
ちょぴっと記録しとこう。


鈴木氏については、
過去に何度も書いてきたしね、
もはや。
これ以上、称賛する
ボキャブラリーが見つからんよ。
私が彼のテナーに魅入られる理由は。
いつ聴いても、
必ず鈴木央紹の音でありながら、
毎回、驚きを与えてくれるから。
あんな鈴木、
こんな鈴木、
そんな鈴木、

いろんな鈴木。
さあ、お次は。
どんな鈴木?
その期待感で、
彼のLIVEに足を運ぶのを止められないんである。


工藤氏のベースは、
以前にも何度か聴いているが、
言葉を失う絶倫ベース。
板鳴りビンビン。
にこやかな笑顔で、
えげつないくらい
ファンキーかつハードに決めてくれる。
許せんね。


そして。
今回、初遭遇したハクエイ氏。
そのズバ抜けたピアノの才に関しては、
つねづね噂に聞いていたが、
こ、これほどとは。
またもや言葉を失う不肖アタクシ。
空間を埋めつくす音また音。
圧倒的なスピード。
が、単なる速弾きではない。
軽やかな右手、
ズシンと重い左手。
連鎖が連鎖を生み、
聴き手は眩暈にも似た感覚に襲われる。


LIVE後は何故かロック話で
異様に盛り上がってしまい、
マイケル・シェンカー、
ヨーロッパ、
ボン・ジョヴィ
子供ばんど
等々の固有名詞が乱れ飛び、
ハクエイ氏がディープ・パープルの
「Burn」のさわりを弾いちゃったり、
工藤氏と私がA-HAの
「Take On Me」を唱和しちゃったり、
ココは一体どこですか?状態に突入。


それはさておき。
当夜、ハクエイ氏本人より
購入したアルバム。
これがまたしても、
先鋭的・実験的・冒険的。
度肝を抜かれましたとも、ええ。
ライナーノーツから、
彼の印象的な言葉を引こう。
「ぼくはリフから曲を作ることが多いんです」
この一言だけでも、
根底にロックな魂が
脈打っている証左であろう!


Home Beyond The Cloud

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ジャケットを御覧になれば一目瞭然。
美青年である。
でもって、人柄も温か。
根がオヤジな私、
「ルックスよすぎて、
 男のファンに敬遠されやしねえか?」
などと要らぬ心配をしちまうよ。
こういう天才肌の人は、
ちゃんと本質で評価されなきゃな。


ともあれ。
こんな素晴らしい出会いがあるから、
LIVE通いはやめられん。
死んじゃった偉人プレイヤーたちの
「名盤」を後生大事に
ありがたがってる者どもよ、
アンタら、
人生のデッカイ歓喜
確実に逃してるぜ。