ナツカシイ未来

jazzydays2007-03-24

JR京浜東北線
大宮と与野の間に、
「さいたま新都心」駅が
開業して早くも7年。
彩の国さいたま芸術劇場
への行き帰りに
車窓から眺める光景は、
いつもながら
SFチックである。


ココはかつて幼い私が
思い描いていた未来都市の
イメージそのもの。
銀色に輝く有機体のような
建造物群。
初めてその光景を目にした時、
私は言いようもなく
「懐かしい!」気持ちが
わきおこるのを禁じえなかった。


懐かしの近未来。
何とも逆説的ではあるが、
すでにそれは、
現実空間として
眼前に展開されているのだ。
それでも。
ほんのちょっと足を伸ばせば、
茫漠たる野原が広がり、
彩の国さいたま芸術劇場が位置する
与野本町」駅周辺は
大型デパートも巨大スーパーもなく、
銭湯(!)や老舗の煎餅屋が
ポツリポツリ軒を並べているだけ。


しかし、何度も通ううちに、
私はこの一帯を愛おしく
感じるようになった。
蜷川の舞台を見て、
身も心も丸ごと
持って行かれ、

その後は劇場近くのファミレスで軽くメシを食い、
駅前のファンシー・ショップで、
小物を一つ二つ買って帰路につく。
そんな、ちまちました
幸せを大事にしたい。
私は今後も何度となく、
この土地を訪れることだろう。
そこにSSC(Sainokuni Shakespeare Company)
=彩の国シェイクスピア・シリーズがある限り。
http://blog.eplus.co.jp/shakespeare/


そうそう。
先日書き忘れていた、
いのうえひでのり劇団☆新感線主宰)による
蜷川幸雄評を抜粋。


「蜷川さんの演劇を見ていると、
 60年代からずーっと
 闘ってこられたのだと思います。
 闘うことでエネルギーを燃やしているんだなと。
 仮想でもとにかく敵をつくり、
 そこに向かってエネルギーを
 放射しているんですね。」


「蜷川さんの魅力的なところは、
 インテリでいて
 職人気質もあわせもっているところ。
 芝居の見せ方には
 見世物小屋の主人みたいな
 雰囲気もあって、
 芸術と芸能という真逆な側面を
 兼ね備えていらっしゃるのを感じます。」


おおおおお。
ま・さ・に、
それだよ、それ。

言い得て妙。
さっすが演劇人の読みは鋭い。


彩の国さいたま芸術劇場
資料室は小ぶりながら、
非常に充実度が高い。
国内のシェイクスピア関連書籍は、
ほとんど網羅している。
映像・音楽資料も豊富。
こんな素晴らしい施設が近くに
存在する埼玉県民の皆々様、
うらやましいぞ!
(画像は「さいたまスーパーアリーナ」)。


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裏ブログ『不良熟女のe本棚』更新しました。
お題は「続・情念の五・七・五」でございます。
http://kbookshelf.blog43.fc2.com/blog-entry-30.html