ASC『ジュリアス・シーザー』

昨日はクリニックを2つハシゴ。
年の瀬のせいか、
混んでる混んでる。
どうにか1軒目をすませて処方箋を手に薬局へ。
ココもまた大混雑
ダメだ。
これじゃ2軒目に間に合わん。
で、次のクリニックへ。
無事、診察が終わり、
再び処方箋を手に2つの薬局をハシゴ。
はああああああああああ。
疲れたってばよ。
元気になるために病院に行ってるはずなのに、
消耗してちゃ笑い話だぜ。


ランチは手近なイタリア料理屋で、
バジリコクリームのパスタ。
前方と左右のテーブルを
乳幼児連れに囲まれるという、
最悪のシチュエーション。
帰宅後はブログを書く力もなく寝床にダウン。


さて。本題。
一昨日の『ジュリアス・シーザー』観劇記の続き。
今回の公演は ASC(Academic Shakespeare Company)
創立10周年を記念する舞台。
主な配役は。
キャシアス、彩乃木崇之
ブルータス、菊地一浩。
アントニー、戸谷昌弘。
シーザー、瀬川新一。
キャスカ&オクテーヴィアス、鈴木浩史。


私はASCを見続けてきて、
もうじき8年目に突入する。
その間、メンバーの顔ぶれは次々と入れ替わったが、
劇団創立者である彩乃木・菊地のコンビは不変だ。
私は二人が演じたキャシアスとブルータスに、
彼ら自身の姿を重ねて見るような気がした。
キャラは異なれども、
同じ目標へ向けて熱く闘い続ける男たち。


彼らと同時代に生きていること、
そして、今後も変わらず彼らの活躍を
目にし続けられるであろうことを、
喜ばしく思う。
アポリネールの詩(堀口大學訳)
ミラボー橋』の一節が口をついて出る。
日も暮れよ 鐘も鳴れ
月日は流れ わたしは残る。


今回の舞台では大きなめっけもんがあった。
キャスカとオクテーヴィアス、
二つの大役を任された鈴木浩史。
この人は以前にもASCの公演で見たことがあるが、
刮舌の良さ、豊かな声量、
しなやかでスピーディーな身のこなし、
そして、圧倒的な目ヂカラ。
素晴らしい存在感である。
ASCは真の逸材を得た。
今後、要注目。


この『ジュリアス・シーザー』、
男だらけの汗臭い作品かと言えば、
そうでもないのだ。
シーザーの妻キャルパーニア、
ブルータスの妻ポーシャ、
それぞれ出番は少ないものの、
重要な役どころ。
とりわけ。
女丈夫、ポーシャには当方の熱い血が騒ぐ!


≪たしかに私は女です、
でもブルータスが妻に選んだ女です。
(中略)
世間並みの弱い女としかお思いにならないのですか?
私はうちあけられた秘密を洩らす女ではありません。
私の心の固さは前にはっきり証拠をお見せしたはず、
そう、この手でここに、
この太腿に、傷を負わせて。

その痛みにじっと耐えた私が、
夫の秘密をじっと守りとおせないとでもお思いですか?≫
(第二幕第一場、小田島雄志訳)


く〜〜〜〜〜〜っ。
シビレるねえ。
しかも彼女、
夫ブルータスの軍が劣勢と見るや、
火を飲み込んで自害し果てるのである。
これぞ鉄火のカガミ


観劇当日は、
英文学者・シェイクスピア研究家の
河合祥一郎センセイのお姿も。
ハムレット』講読セミナーでは、
お世話になったわねえ。
アンタの本は、ぜーんぶ読んでるよ。
さほど大きくもないハコで、
このアタシに気づかないとは、
御挨拶だわね。
アタシの存在感も地に落ちたもんだわね。
センセイ、この劇団の代表・彩乃木氏と
確か一歳しか違わないのよね。
私には劇中のキャシアスが彩乃木さんに、
アントニーがアンタに、
かぶって見える。
まあ、せいぜい「政治家」ぶりを発揮して、
上手に世渡りしていくがいいさ。


終演後は、
ソニービルの某英国調パブにて、
エールとフィッシュ&チップス。
それから、師走の街をウインドーショッピング。
銀座だからって、
高級なブランド店ばっかりとは限らないんだよ。
私の行きつけは、
数寄屋橋の「GINZAファイブ」に、
新橋駅近くの「GINZAナイン」。
ああ、あそこか、と
ピンと来る方は相当な通ですな。