シングルモルト修行

single malt (シングルモルト)。
ブレンドをしていない生粋のスコッチ・ウイスキー
一番の有名ドコロは、
緑で三角のボトルのグレン・フィディックかな。
産地によって、さまざまな種類が出ているが、
どれもブレンドウイスキーにはない、
強烈な個性がある。
一言で表現するならハードボイルド。
ハマリ出したのは3年くらい前だろうか。
初めてマッカランを近所の酒屋で買って、
一口、飲んだ時の衝撃は大きかった。


くは〜っ。げほげほげほ。
何コレ??????


第一印象は火酒。
私はウイスキーを水で割るのが嫌いである。
ロックも好きじゃない。
常温のストレートを、ソーダもしくは
氷なしの水をチェイサーにして飲むのが好み。
セロニアス・モンク風に言えば、
Straight with chaser, no ice, please.

マッカランはとてもストレートでは飲めそうにない感じだった。
「こりゃあ失敗したな」が正直な感想。
しかし。そこはそれ、酒飲みの悲しい習性。
残すなんて、とてもできない。
捨てるなんて、もっともっとできない。
で。何度かに分けてチビリチビリやっているうち、
ある日、突如その魅力に目覚めてしまったんである。
おおおおお。慣れてくると、うめ〜じゃん、コレ!


マッカランの次は伊勢佐木町のちっちゃなバーで
ラフロイグを試してみた。
これまたド級のキャラ。
注がれたグラスに鼻を近づけたとたん、
カウンターでのけぞりそうになった。
どひ〜! こりゃ正露丸のニオイじゃんか。
こーんな消毒くさい酒が飲めるかよ。
というわけで、しばらく敬遠する日々が続いた。


その後、スキャパやクラガンモアなど、
甘みと華やかな香りを持つ銘柄にも出会い、
強烈なだけがシングルモルトじゃないんだ、と徐々に理解。
たまに行くジャズクラブで、タリスカーボウモア
見つけてチャレンジ。後者を頼んだ時には、
その潮っぽい匂いが心地よく感じられた。
うむうむ。だんだんアタシの舌もオトナになってきたものね。
バーテンダー氏いわく、
「コレが美味しく感じられるなら、
きっとラフロイグも大丈夫ですよ。」
ホントかしら....?
だって正露丸だぜ。
「うーん。次回の楽しみに取っておきますわ。」と
その日は一応、逃げ口上。


次にその店を訪れた際に、すすめられたのが
ラガヴーリン。これがイケた。
「ココまで来れば、ラフロイグは目前です。」とバーテンダー氏。
よしっ。じゃあ避けに避けてきたラフロイグ、いってみっか。
ついにやって来ました。運命の再会。
グラスに鼻を恐る恐る近づける。
確かに正露丸だが、拒絶感はない。
一口、飲んでみる。
大丈夫。受け入れられる。ってかイケる!


というわけで。
私とシングルモルトとの蜜月期間は
いまだ続いているのでございます。
と締めくくりたいところであるが、
途中で入院・手術などを経験してしまったために、
しばらく度数の強い酒から離れざるを得なかった。
しかし、体調も相当に持ち直してきたので、
先日、久しぶりに上記のジャズクラブで
タリスカーを一杯だけ注文。
もちろんダブルのストレート、チェイサーはソーダである。
あああああ。男前な味だぜ!
昔、片思いしていた相手に再会して、
またトキメキがよみがえったような気がするぜ!
さーてと。明日、初めて行くジャズクラブでは、
何か新しい銘柄に挑戦してみっか。




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