私は電話が嫌いである。
かかってくるのも、かけるのも。
そのくせ、我ながら応対は非常に明るくハキハキしている。
(初めての就職先が某大手書店だった頃の名残り。)
が。嫌いといったら嫌い。
相手の都合も状況もおかまいなしに、
土足で生活の中に踏み込んでくる、けしからん輩である。
だから、自分がかけるのも躊躇する。
こんな私でも一応、携帯電話とやらを所持しているが、
あくまでも緊急の連絡用。
カメラもついていなけりゃ、メールもめったに打たない。
自宅にかかってくる電話のほとんどは身内宛て、
もしくはセールスに決まっているので、
リ〜ンと鳴ると、まずは
うるさいっ!!!
と一喝するのが毎度の儀礼となっている。
さて。
「うるさい」と言えば。
あの"闘う哲学者"中島義道氏のベストセラー、
『うるさい日本の私』が思い浮かぶ人も少なくないだろう。
- 作者: 中島義道
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/11
- メディア: 文庫
- クリック: 26回
- この商品を含むブログ (83件) を見る
私は中島氏の著書の愛読者である。
彼の理不尽なまでに激しい怒り。
狂気スレスレの奮闘ぶり。
騒音に限らず、中島氏の怒りの対象となるモノは跡を絶たない。
個人的には『ぐれる!』が彼の最高傑作だと思う。
- 作者: 中島義道
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/04/10
- メディア: 新書
- 購入: 2人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (47件) を見る
コレを読んでゲラゲラ笑いつつ、
「うんうん」と、うなずける人となら、
私は無条件で友達になれるであろう。
もちろん数多いエッセイ中には駄作も少なからずある。
ニヒルを気取ったつもりで、女々しい自己憐憫に陥ったり、
瑣末な問題を、無理やり自らの土俵である
ドイツ哲学に引き込もうとしたり。
でもね。その痛々しいまでの奮戦ぶりが泣かせるのよ。
よしみっちゃん。
(私は彼をこう呼んでいる。中島ファンならご理解下さるはず。)
怒りなさい、怒りなさい、
もっともっと怒りなさい。
私は味方だから。
貴方の言ってることに全部が全部共感するワケじゃないけど、
とりあえず味方だから。
というわけで。
アタクシに愛の告白やデートのお誘いを計画中の方は、
電話じゃなくって、面と向かってそうしてね。
その勇気がないなら、携帯じゃなくて
PC宛てにメールをちょうだいね。