ブラームスの孤独

ブラームスは誰が何と言おうと牡牛座だろう。
あの粘り強さ、緻密さ、重厚さ。
最初の交響曲に十年近くかけちゃうこと自体、
もう尋常ではない。
四大元素の「地」のエッセンスをこれほど
如実に現している芸術家もそうそういなかろう。
一見、重苦しくて根暗な印象を抱かれがちな
ブラームスだが、よくよく耳を傾けてみれば、
そのあふれんばかりの歌心が
切々と胸に迫ってきて思わず落涙。
自分にとってブラームスはとことん情熱的で
とことんロマンチックな作曲家である。
彼はどこまでも一人。どこまでも孤独。
実生活で独身を貫き通したのもイイし、
俗っぽいオペラなんぞで筆を汚さなかったのもイイ。
11歳も年上の人妻にずーっと思いを捧げ続けたのもイイ。
毎日のように定番の食堂に現れ、
毎回のように「肉だんご定食」みたいなのを
食べていたというのもイイ!
男でも女でも孤独に耐え続ける奴が自分は好きなのだ。