光から闇へ

jazzydays2018-10-31

10月最終日。
巷ではハロウィンの
馬鹿騒ぎが
繰り広げられているようだが、
実は。
より重要なのは翌11月1日。
この日サウィン(Samhain)を
境に北半球は1年の半分、
闇の世界となる。
再び光の世界が巡ってくるのは
5/1のベルテン(Beltain)。
その前夜が魔女祭として
有名なワルプルギス
(Walpurgisnacht)である。
長い長い闇の半年間。
冬至を機に日が
延びてゆくのは救いだが。
陰極まって陽となる。
冬来たりなば春遠からじ。
我ら日出る国の子らは
クリスマスなんぞではなく、
冬至を祝うべし。
以下、
サウィンを迎えるにあたって
ふさわしかろう書物より引用。
ようこそダークサイドへ。


≪近代世界を支配しているのは、
キリスト教の枠の外に逃れた
異教的魂である。
それはあの古代ゲルマンの
戦いの神ヴォータンの叫びである。
ヴォータンはついに
ヒトラーに乗り移った。
それがキリスト教の神の名によって
その存在を圧殺された
異教的魂の復讐なのである。≫


ユングの描く精神史は、
いわば死者たちの
鎮魂のための精神史である。
歴史の舞台には、
勝利者があれば必ず敗北者がある。
光の精神史の裏面には影の精神史がある。
ユングは、栄光の歴史の影に
怨みをのんで消えて行った
無数の死者たちの鎮魂のために、
その精神史を書いたのである。≫


ユングとキリスト教 (講談社学術文庫)

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