二つの木琴

jazzydays2016-10-29

久しぶりに黄金町へ。
目指すはジャック&べティ。
こだわりの単館上映系作品を
数多く提供する
ミニシアターである。
この日は急遽予定を
変更してまでも、
ぜひ見たい映画があった。
井上荒野原作の
「だれかの木琴」。
http://darekanomokkin.com/
彼女の小説はここ2ヶ月弱で
何と27冊を読了している。
そもそも。
ハマったキッカケというのが
他ならぬ「だれかの木琴」なのだ。
詳細は↓
http://d.hatena.ne.jp/jazzydays/20160914


映画は原作をそのまま
なぞるのではなく、
映像化ならではの
オリジナル場面が
豊富に組み込まれている。
とりわけ。
美容師を演じる
池松壮亮のキャラ立てが
繊細で深みがある。
ストーカーと化した顧客を
ただの気色悪いババア、
とは捉えておらず、
戸惑いつつも内心、
磁力を感じているような...。


池松青年はどっかで見た顔、
と思ったら。
「紙の月」で宮沢りえ
共演してたよな。
美しくアブナイ年上女性に
翻弄される役柄が
じっつにピタッとフィット。
歌舞伎っぽく言うなら
「ニン」が合うんだね。


他にも。
原作にはないシーンがいろいろ。
中でも。
ソファに並んで座った夫婦が
言葉を交わさず、
メールで会話するところが
印象に残った。
常盤貴子は平凡な主婦役としては
やや美人すぎる気もするけれど、
それがかえって透明感のある狂気を
醸し出していたかも。
いずれにせよ。
小説と映画、
二つの木琴を心底堪能
させてもらったです。


だれかの木琴 (幻冬舎文庫)

だれかの木琴 (幻冬舎文庫)