ストーカー主婦

jazzydays2016-09-14

初めて井上荒野の小説を読む。
「だれかの木琴」。
何不自由ない平凡な主婦が
ふとしたキッカケで
ストーカーと化していく
過程がリアルに
つぶさに語られる。
彼女の標的は美容師。
最初は指名を
繰り返すだけだったのが、
彼への執着は単なる
好意を超え、
恋心さえも超え、
徐々に常軌を逸したものに...。


だれかの木琴 (幻冬舎文庫)

だれかの木琴 (幻冬舎文庫)


誰でも一人や二人は
なじみの店に
気に入ったスタッフが
いるだろう。
それが決してストーカー行為に
結びつかないという保証は
あるだろうか。
日常が非日常へと歪んでいく
プロセスがヒタヒタ怖い。


この作品は映画化され、
現在上映中なのだが、
近くに劇場がないため、
とりあえず原作を
読んでみたところ、
見事にハマってしまった。
心理サスペンスとしても、
ホームドラマとしても、
上質の逸品である。
これを機に井上荒野
もっと読み込もうと思う。