今年の一冊

jazzydays2015-12-31

今年も。
ジャンル問わずあれやこれや
本を読み散らかした。
おかげで。
部屋は本の山また山で
足の踏み場もござんせん。
一番の収穫と言えば
吉田修一の再発見だが。
たった一冊だけ選ぶとするなら
獲れっ獲れのキットキト、
星野智幸「呪文」だろう。
戦慄・鮮烈・洗脳ファシズム商店街。
権力とは。
服従とは。
生きる矜持とは。
平易かつリアルな文体で
究極的な命題を読者に突きつける。


呪文

呪文


読売新聞の「今年の本」でも
隅っこの隅っこに番外で
取り上げられていて、
ああ、わかるヤツにゃあわかるんだ。
と安堵した。
この作品。
単なる近未来SFじゃねーっす。
著者が意識したかしないか
知らんが(たぶんしただろう)、
本年没後45年となる
三島由紀夫への強烈な
オマージュともなっている。
憂国愛国同志はぜひ読まれたい。
発売日にも注目。