悦楽読書備忘録

jazzydays2011-02-06

年末年始の
おキツネ読書日記。
まずは。
遅ればせながら
ダン・ブラウンの最新作
「ロスト・シンボル」上下巻。
毎度おなじみ、
ダイハードな展開は
やれ御都合主義だの何だのと
批判もありますが。
ぐいぐい読ませる力技は
やはりタダモノではない。
これぞPage Turner!


ロスト・シンボル 上・下 2冊セット

ロスト・シンボル 上・下 2冊セット


怪しいコワモテ日本人女性が
謎の大活躍をしてくれちゃうのが
失笑を誘うけど、
まっ御愛嬌。
ガキンチョの頃から
フリーメーソンおたくを
自認していたブラウン君。
さっすが。
明と暗、善と悪の
舵取りが非常に巧妙。


アメリカという若い国だからこそ、
あれやこれや介入が
可能だったんだろうねえ。
ワシントンは
バチカンに勝るとも劣らぬ
オカルト整備(?)が
行き渡った
スピリチュアル・ハイテク・シティだと
よっく理解できます。


ラストの一文には
思わず胸が熱くなる。
そうよ。
シンボルは決して失われてやしない。
我々のすぐ身近にあるのに
見過ごされてるだけ。
それは日本だって同じこと。
目をこらせ!
耳をすませ!


風邪で臥せってる間は
もっぱら積ん読の本を
消化していた。
うち、奇才スティーヴン・キング
別名義で書いた
「痩せゆく男」は
具合の悪い時に読むには
ちと向いていない気もしたが、
とにかく絶品だった。


痩せゆく男 (文春文庫)

痩せゆく男 (文春文庫)


うむ。
呪いってのはアンタ、
共同作業なんだよ。
かける者と
かけられる者との。
双方に共通の認識が
存在しなければ、
何もなかったことに
なってしまう。


ごくごく普通の市民が
いつの間にやら
恐怖のドツボに
はまっていくサマを
リアリスティックに
詳述する才はキングお家芸
ラストの苦さも痛烈だ。
読もうと思う人は
絶対に後ろから
ページをめくらんように。


そして。
何を今さら?
と言われそうな
村上龍の「共生虫」。
本作はハードカバー新刊で
買っていながら
読めないままブックオフに手放し、
後に文庫で買い直したという
いわくつき。


共生虫 (講談社文庫)

共生虫 (講談社文庫)


インターネット創世期に
書かれた小説ゆえ、
表現的にかなり「時代」を
感じさせる部分は
多々あれど。
内容は全く色褪せていない。
ネットの
底知れなさ、
計り知れなさ。
歓喜と絶望。
恐怖と希望。
決してハッピーエンドではないのに、
読後は不思議な
爽快感がある。
これって村上龍の名作には
たいてい共通するよな。
たまーに「?」な
作品もあるにはあるけど、
やっぱり基本的に
この人は天才だと思う。


新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)


愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫)

愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫)

愛と幻想のファシズム(下) (講談社文庫)

愛と幻想のファシズム(下) (講談社文庫)


五分後の世界 (幻冬舎文庫)

五分後の世界 (幻冬舎文庫)

ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界 2 (幻冬舎文庫)

ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界 2 (幻冬舎文庫)