Lady of Avalon

jazzydays2010-10-11

長い長い長い旅を終えた気分。
文庫本にして
厚さ約2センチ×全4巻を
読了した今。
熱く厳かな感動に
全身が包まれている。
マリオン・ジマー・ブラッドリー著、
「アヴァロンの霧」シリーズ。
(残念ながら現在 邦訳は絶版)。
http://goo.gl/amrq


アーサー王伝説を題材にした
文学作品はあまた存在するが。
伝説のエッセンスを損ねることなく、
ここまで現代的に解釈し直し、
なおかつ物語としての感動を
よりいっそう深めた手腕は
驚嘆に値する。
なぜもっと前に
読まなかったのかと悔やまれる。
http://goo.gl/HOpi


平塚らいてうの言を待つまでもなく。
元始、女性は太陽であり、
地母神であった。
生命の源泉であった。
まばゆいほどの
エネルギーの発露を
切支丹がいかに奪い、
いかに根絶やしにしていったか。
その過程がダイナミックかつスリリングな
ファンタジーの形式をもって
ぐいぐい読者に迫りくる。
圧巻。


本作品を読んで
あらためて深く感じ入る。
天照大神を祖神とする
我が国の神話体系は
何とのびのび豊穣であることか。
そうよ女はみんな女神。


女はみんな女神 (ウイメンズ・ブックス)

女はみんな女神 (ウイメンズ・ブックス)


時に厳粛、
時に放埓、
途方もなく崇高でありながら、
同時にとことんえげつない。
その相反性こそが
我々の根っこ。


切支丹に蹂躙されてしまった
西欧がようやく20世紀末になって
たどりついたある種の境地を目にして
(著者は米国人女性、舞台は6世紀ブリテン
この国に生まれた
幸いをかみしめる。
アーサー王伝説に格別な関心がない人でも
必ずや深い感銘を受けるだろう。
宗教学・民族学民俗学
文化人類学フェミニズム
大河小説・幻想小説歴史小説etc.、
まさに。
ジャンルを超えた20世紀の大傑作。



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