あれもカミこれもカミ

jazzydays2010-09-23

先頃。
ローマ鳳凰じゃない
法王ベネディクトさんが
イギリスを訪問した。
ドイツ人として950年ぶり
(約ミレニアムかよ!)に
法王の座についた
この人は幼少のみぎり、
ヒトラー・ユーゲント
所属していたという
輝かしい(?)経歴の持ち主である。


先代ヨハネ・パウロさんが
イギリスを非公式訪問したのが1982年。
それから28年。
公式訪問に限ると、
かのヘンリー8世が
カトリックを離脱して以来、
ななななな何と476年ぶりなんだと。


ちなみに。
当代ベネディクトさん=
本名ラッツィンガー氏が
かねてより法王有力候補
であったことに関しては
かの青山圭秀氏が
すでにその就任5年前(!)に
著作で予言めいた記述をしている。
さっすがだな。
ダン・ブラウンなんか
メじゃねーわ。


最後の奇跡

最後の奇跡


EU圏において。
地理的にも
文化的にも
通貨的にも
ちょいと特異な位置にあるイギリス。
とりあえずキリスト教圏とは言え、
カトリックはおろか、
プロテスタント臭も
さほど濃いとは思えぬ。
ごく最近の調査では
「神」の存在に懐疑の念を
抱く人の割合は3割以上だそうな。
http://goo.gl/yJwu


移民増加による
民族・文化の多様化が進み、
キリスト教自体の権威が
薄れつつある結果、
と見ることもできよう。
が。
もともと。
あの島国自体が
自然崇拝、
多神教的、
魔術的、
オカルティックな風土。


いわゆる「異教」の大地。
が。
この形容には
はなはだ違和感を覚える。
じゃあ。
「異教」と呼ぶからには
何をもって「正教」とするのか。
ヨソから土足で攻め入って来て
布教の名のもとに
蹂躙の限りをつくした輩どもが
奉じた宗教を、かね?


アヴァロンの霧〈1〉異教の女王 (ハヤカワ文庫FT)

アヴァロンの霧〈1〉異教の女王 (ハヤカワ文庫FT)


話を戻そう。
先の調査結果を
簡単に鵜呑みにはできん。
キリスト教に代表される
一神教的・権威的・父性的な神には
懐疑を抱いても。
多神教的・融和的・地母神的な
何らかの力(土地の持つ磁力)を
うすうす感じている人は
少なくないのではなかろうか。
完全なる唯物的無神論
ふりかざす民衆は
そうそう多くないと思いたい。


唯我独尊な神はいなくても、
森羅万象すべてが神。
あれも神、
これも神、
たぶん神、
きっと神。
無神論は限りなく汎神論。
そして。
それは日本にも通じる。


イギリスには上質な
ファンタジーを生み出す
豊かな文学的土壌がある。
ベーオウルフ、
マビノギオン、
アーサー王伝説
不思議の国のアリス
ナルニア国物語
指輪物語
ライラの冒険」シリーズ
ハリー・ポッター」シリーズ etc...。


以前。
ハリー・ポッター」の
紹介者であり翻訳者である
松岡佑子さんの講演会に出向き、
質疑応答の場で
キリスト教世界(一応は)である
 イギリスにおいて
 文学作品が魔術をモチーフとする際、
 文化的齟齬はないのか?」
とたずねたことがある。
松岡氏の答えは明快至極。
「全く問題ありません。」
であった。


ああそう言や。
ホーキング博士
イギリス人だったよねえ。
「宇宙創成に神は必要ない」と
明言したことで
かなり物議を醸してるけど、
やれ「不敬だ」「冒涜だ」の一点で
思考が停止しちまう
切支丹たちって
八百万の神々の国から見ると
どーしよーもなく
ドグマ的で狭量で阿呆で哀れ。


神は必要ないかも。
しかし。
それは宇宙自体が
自律的な胎動から
成長(あるいは衰退?)しているからであり、
その法則性を生み出すのに
必ずしも白髪白髭のジジイによる
「天上界からの指図」
みたいなもんは要らねえよ、
ってことなんだよ。


シンプルに言えば。
宇宙自体が神である。
いや神々である。
集合体なのだ。
意識体として。
有機体としての。


あああ。
話がデカくなっちまったわ。
今日はもっと政治的・憂国的な
嘆き節大展開のつもりだったのに。
まっこれも。
満月on秋分点の影響であろう。
秋分の日に満月が重なるのって
20年ぶりなんだと。
皆さん心して儀式したかい?