老賢人の系譜

jazzydays2010-08-04

神話・民話・叙事詩
元型の宝庫であるのは
今さら説明するまでもない。
千五百年以上の長きにわたって
生きながらえた
アーサー王伝説は、
土着のケルト性の上に
切支丹的要素を加味し、
とどまるところを知らぬ
拡大膨張を続けた。


多くの作家が
そこからインスピレーションを得て
数え切れないほどの
名作を世に送り出してきたのだが、
何故かシェイクスピア
アーサー関連の作品を
一つも残していない。
どころか、
登場人物やエピソードについて
言及すらもしていない。
これはどうしたことか。


誰か。
天国の沙翁に電話して
聞いてみてくんない?
もし彼がアーサー王伝説
素材に作品を書いたとしたら、
どんなにか素晴らしいものに
なっていただろう。


アーサー王伝説中で
最も目を引く元型キャラは
老賢人たるマーリンである。



マーリンは時代を超え、
空間を超えて
そこかしこに出現する。



ある時はガンダルフ



ある時はオビワン・ケノービ。



またある時はダンブルドア


老賢人を占星術的に
読み解くとすれば土星
厳しく忍耐強い老師である。
教え子につらく当たることも
少なくないが、
それは彼らを心底思うがゆえ。
過酷な鍛錬に耐え、
晴れて老師の教えを
体得した暁には、
想像をはるかに超える
成果を手にできるのだ。


だが。
偉大なる老師にも
弱点がある。
優秀な教え子に
のめりこみすぎ、
思わぬハニートラップに
引っかかっちゃうことがね。
うふふふふ。
右上の画像は
マーリンを籠絡しようと
画策する巫女ニムエ。
この後どうなったかって?
伝説本の類を1冊読めば
わかりまする。


図説 アーサー王伝説物語

図説 アーサー王伝説物語


図説アーサー王伝説事典

図説アーサー王伝説事典


図説アーサー王物語

図説アーサー王物語


翻訳者の山本史郎氏には
某カルチャーセンターで
アーサー王関連のレクチャーを
受けたことがある。
短期間だったけど、
充実してたわ。
ちなみに山本先生は
イギリスが誇る
歴史小説家、
ローズマリ・サトクリフの
翻訳者としても著名。


彼女の本はアーサー関連をはじめ、
たくさん出ている。
壮大なスケールといい、
深みのある人物設定といい、
まるでその時代にタイムスリップして
「見てきたような」迫力ある描写といい、
どれも珠玉の名作揃い。
ここには載せきれないので
興味ある人は検索してくれたまえ。


リック・ウェイクマン
コンセプト・アルバムには
高校の頃ハマった。
中世チックな導入部から
一挙に物語世界に突入できる。
名盤。


Myths & Legends Of King Arthur & The Knights Of The Round Table

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