「ゼ」はゼルダの「ゼ」

jazzydays2009-05-18

"Z" is for Zelda.
ブラッドベリ
ならって言うなら。
「ゼ」はゼルダの「ゼ」。


アルファベットの
最後の最後。
「Z」を頭文字に持つ
サザン・ベル
(southern belle=南部美人)。
最後どころか
誰よりも
時代の最先端を
全速力で走り抜け、
瞬く間に
生きながら別宇宙へと
突入しちまったフラッパー。


ウは宇宙船のウ【新版】 (創元SF文庫)

ウは宇宙船のウ【新版】 (創元SF文庫)


スは宇宙(スペース)のス (創元SF文庫)

スは宇宙(スペース)のス (創元SF文庫)


ゼルダフィッツジェラルド
彼女については
過去の日記でわずかながら
ふれたので御興味ある方は
参照されたい。
http://d.hatena.ne.jp/jazzydays/20061112


ゼルダの一人称で
書かれたきわめて
ノンフィクションに近い
フィクションを読了。
著者はフランス人男性。
原題は「Alabama Song」。
思わずドアーズが
アタマに浮かんじゃうけど。


ハートに火をつけて(紙ジャケット仕様)

ハートに火をつけて(紙ジャケット仕様)


本国では2007年度ゴンクール賞
(日本なら芥川賞みたいなもん)
に輝いたベストセラーである。


ゼルダ 最後のロマンティシスト

ゼルダ 最後のロマンティシスト


二十世紀初頭アメリカ、
伝説中の伝説たる
フラッパーを
描く人物としては
異例かもしれぬ。
しかし。
語られる内容は、
まるでゼルダ
読者の眼前で
一人語りをしているような
錯覚を覚えさせるほどに
「憑依度」満点。


末永く我が心の書架に
愛蔵されること
間違いなしの力作。
ページから
同類の痛みが
伝わってくるんだよ。
以下、印象的な部分を抜粋。


≪ときおり興奮状態は
 とても激しくなり、
 静脈は沸き立った。
 血と生気と、奥底に潜んでいる
 不安がほとばしり、
 頬は焼けつくようになった。
 私にだって何かしら価値がある。
 心臓は破裂せんばかりに
 とくとくと高鳴っていた。
   (中略)
 足はわなわな震え、
 空気を胸一杯に吸い込み過ぎ、
 息は止まり、目はかすむ。
 もうたくさん、やめて!≫


≪私は危険を愛す.....
 いくつもの危険.....
 全人生を賭けてうかつに
 投げてしまったサイコロ。
 その転がったサイコロが止まり、
 自分の破滅が決定されるのを
 待つことさえしない。
 場合によっては
 身の破滅さえも愛する。
 それが私。
 手のほどこしようがない。≫
 

もう一冊。
マイ殿堂入りの
ゼルダ伝から抜粋しよう。


ゼルダ―愛と狂気の生涯 (1974年)

ゼルダ―愛と狂気の生涯 (1974年)


これはかの
ジャニス・ジョプリン
(彼女もまた南部出身)の
愛読書としても知られる
ロングセラーである。


≪だれかひとりが
 紹介されるたびに、
 ゼルダはやさしく微笑し、
 握手をしながら、
 「あなたなんか大理石のリングで
  死ねばいいんだわ
 と声をひそめて言うのです。
 もちろん、みんなは
 彼女のいつもの冗談だと思いました。
  (中略)
 彼女はそうした言葉を
 口にしながらも
 非常に魅力的で、
 愛想のよい態度を保っているのです ---
それは、彼女が子供時代によく見せた
 皮肉のひとつであったと思います。
 (だが、そうではなかった。
  それはゼルダの本心から
  出たものだった。)≫


聞くところによると。
キーラ・ナイトレイ
ゼルダを演じる映画
(「Beautiful and the Damned」)を
そのうち見られそうだな。
生前のゼルダにくらべて
美人すぎるのが難点だが。
(本人は見るからに
 エキセントリックな容貌だ。)
蛇足ながら。
ナイトレイじゃなくって
ナイトリーだろ。
本来の発音に近いのは。


さて。
来月開始の
ネイビー横丁プロジェクト。
どうなりますことやら。
本日の書類@裏倉庫。
http://ameblo.jp/jazzydays/day-20090518.html


ゼルダ・フィッツジェラルド全作品

ゼルダ・フィッツジェラルド全作品