ミラクル三島!

序章は
コノハナノサクヤヒメ
終章も
コノハナノサクヤヒメ
桜の女神の恩恵を
浴びに浴びまくった、
摩訶不思議な
日帰り旅行であった。


昨日は。
三島在住の友人を
ガイド役に得て、
長らく念願だった
三嶋大社への初参拝を果たす。


その前夜。
やめりゃあいいのに。
よりによって。
中島らもの大著、
ガダラの豚
なんぞを読み出しちまい、
ページをめくる手を
止めることあたわず、
ついに徹夜。


ガダラの豚 1 (集英社文庫)

ガダラの豚 1 (集英社文庫)


ガダラの豚 2 (集英社文庫)

ガダラの豚 2 (集英社文庫)


ガダラの豚 3 (集英社文庫)

ガダラの豚 3 (集英社文庫)


寝ないで長時間、
朝早くから電車に揺られりゃあ。
ヘロヘロになるわな。
大馬鹿である。
ところが!
熱海まで青ざめていた
己の顔色が
三島駅が近づき、
車窓に
堂々たる富士山の
姿を目にするや。
ぐんぐん明るくなっていくのを感じた。


富士山におわしますのは。
言うまでもなく
鉄火な女神、
コノハナノサクヤヒメ
桜を司る神でもある。


三島駅に出迎えに
来てくれていた
友人Jackさんと合流し、
いざ大社へ。
桜吹雪の舞う境内。
この春、初めて
桜が紙の花ではなく、
生命ある花に見えた。

うおおおおお。


せせらぎの多いこの街は
ディープな
「昭和」の風情たっぷり。
価値観・審美眼を
同じくする友と
歩くのは何とも素敵だ。
どうってことない
商店のショーウインドーや
たたずまいに、
きゃあきゃあ
謎の歓声を上げつつ
写真を撮りまくる我々。



この枯れた味わい。たまりません。



ミセスじゃないけど、修理お願いできます?



言葉を失う美。


昼飯はJackさんオススメの
蕎麦処にて。
わさび漬け、
蕎麦豆腐、
海老の唐揚げ、
鴨焼き、
せいろ。


その後。
再び市内を散策。
途中、小ぶりの浅間神社
(言うまでもなく御祭神は
 コノハナノサクヤヒメ

を見かけたので
お参りする。
折りしも境内では
善男善女が集い、
にぎやかに
花見の宴が開かれていた。



寝泊りさえしなきゃ、宴はオッケーなのですね。


散策のシメに
レトロなレトロな
スパゲティ屋 兼 喫茶店に入る。
元来、酒飲みの我々だ。
当然。
お茶で終わるはずもない。
チーズと枝豆を肴に
まずはサワー。
ついで赤ワイン。



入りましたとも!


赤ワインに
手をつけようとした
ちょうどその時。
どやどやと大勢の
ミドルエイジ男女が入店。
皆さん、
だいぶ「出来上がって」らっしゃる。


どうも店内で
カラオケ大会が始まりそうだ。
我々のテーブルまで
グループの代表格が
「すみませんねえ、
 うるさくって」
と、ボジョレーを片手に
わざわざ
御挨拶に見える。


と。
私の目が彼らの
テーブルの上に
置かれた洗剤の箱をとらえた。
あ、あれは。
確かさっき。
浅間神社で宴を行っていた
人々のテーブルにも
あったぞ。
福引の景品だよきっと。


「あのう....、
 さっき浅間神社
 お花見なさってませんでしたか?」


私の質問に目を丸くする御婦人。
な、何と。
まさしく。
その通りであったのよ。


「ええええええっ!
 じゃあ、お二人は
 さっきお参りしてたの???
 ちょっとちょっとぉ、
 ○○さぁーん!」


さあて。
それから。
次から次へと。


「宴会のまとめ役です」
「神社の役員です」
「どんどん飲んでよ」
「一緒に歌わない?」
「パーッとやりましょうよ!」
「チョコ食べなさい」
「このワインどうぞ」


何なんだ。
この予期せぬ展開は。
コノハナノサクヤヒメ様ったら。
お茶目すぎるんですけど。
さらに。
名刺を下さった方の苗字には
「桜」の字が含まれている、
というオマケつき。
わははははははははははは。
やられた。
やられました。


素敵な日帰り旅行を
演出してくれた我が魂の友よ。
本当に本当にありがとう。
私にとって。
東海道本線ってのは
マイ・ソウル・レイルウェイ
であるらしい。
近日中に。
きっとまた体験することだろう。
JR東海マジックを。



帰りに駅構内で発見。もちろん名古屋産。