絶望という名の電車に乗って、
崩壊で乗り換え、
蕎麦屋で降りる。
かつて。
ペダントリーと
ディレッタンティズムの
海原に私が沈みこむのを
懸念してくれた
男友達がいた。
彼は重い肝臓の病を患い、
何度も入退院を繰り返していた。
昨日。
彼の住所と電話番号を
メモした紙が本棚から
ヒラリと目の前に
舞い落ちてきたのだが。
何となく連絡できずにいる。
コワイんだよ。
元気なのかどうかを確かめるのが。
歯をギリギリ食いしばる
習慣がいっこうに治らん。
頭蓋骨がアゴのあたりで
日々変形していくのを実感。
クスリじゃなくて
退行催眠が必要かも。
昨日は。
クリニックを2軒
ハシゴするはずが、
1軒目で予防接種した後に
あえなく挫折。
そうなると。
やっぱり蕎麦チャージしかない。
お気に入りのあの店が
http://www.hamagen.jp/index.html
夜の営業を開始するのを待って
いそいそと駆け込む。
例の分厚い板わさで
「出羽桜」を飲み始めたところへ
60代とおぼしき
男性3人組が登場。
同窓会とやらで
すでに昼の1時から飲んでいたそうで、
全員御機嫌である。
「オレたちねぇ、
小学校時代からの
つき合いなんだよぉ」
ほおお。
そりゃめでたい。
この店にはたいてい
混雑時をはずして訪れるため
客は私一人のことが多いのだが、
こういう賑やかさも
たまにはいい。
すっかり出来上がった
オジサマたちが
得々と語ってくれる
日本酒のウンチクも
肴のうち。
2杯目は「越乃景虎」。
同時に鴨汁せいろも頼む。
毎度ながら本当に惚れ惚れするコシだ。
現時点では最愛の蕎麦屋だね。
[rakuten:uonuma:489687:detail]
さて、そろそろ帰ろうかと
腰を上げようとしたら、
オジサマ連からお声がかり。
「オネエサン、
せっかくだから
もう1杯やっていきなさいよぉ」
あらまあ。
そりゃあかたじけない。
お言葉に甘えて。
ありがたく「ばくれん」を頂戴する。
ちょいと口寂しいので、
仕上げ蕎麦の後にもかかわらず、
鳥わさも注文。
乾杯のため、
席をオジサマたちの
テーブルに移動。
あらららら。
こんなに飲むつもりじゃなかったのに。
そうだよアタシャ予防接種の直後なんだよ。
クリニックでもらった説明書にも
「深酒は×」って書いてあるんだよ。
あははあはは。
でも、もういいや。
楽しく飲んじゃった。
以下は店の御主人が
わざわざ自宅から持参して
貸して下さった3冊。
ありがとう。
蕎麦界の心強いナビゲーターが
見つかって幸いです。
- 作者: 宮下裕史
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1994/11/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- 作者: アミューズ
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 1997/10
- メディア: ムック
- この商品を含むブログ (1件) を見る
なごみのそば凛としたそば―そば屋ニューウエーブガイド (毎日ムック)
- 作者: 毎日ムック・アミューズ
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2001/11
- メディア: ムック
- この商品を含むブログ (1件) を見る