蕎麦屋酒

所用で隣町まで出かけたついでに、
行き当たりばったりに入った蕎麦屋
遅めの昼飯(=大好物の鴨せいろ)&ビール中瓶1本。
最近は夜に大勢でワイワイガヤガヤ飲むより、
昼にササッと一人でこの程度の量を飲むのが
ちょうどよくなってきた。
一人ぼっちの昼酒はフッと酔って、フッとさめるのがいい。
夜に友人・知人と飲むと、ついつい度を越して翌日の後悔を招く。


私は麺類の中でも、蕎麦が一番好き。
うどん、きしめん、ラーメン、パスタ類、
それぞれに捨てがたい魅力があるけれど。
(何故か、そうめん&冷麦だけは大の苦手。)
しかし、店にはあまりこだわらない。
蕎麦にそこそこコシがあって、
接客と店の雰囲気がよければ、基本的にどこでもOK。
(もちろん、何度も通っているお気に入りの店はあるけど内緒!)
老舗蕎麦処のウンチクを得々と語るオヤジを見かけると、
その場で張り倒してやりたくなる。


ただ、蕎麦湯が運ばれてくるタイミングには、ちょっとうるさい。
蕎麦と同時に持って来るなんて、もってのほか。
客が蕎麦を食べ終わるか、食べ終わらないか、
ぐらいの頃合いを見計らって、さりげなくテーブルに
運んで来るのがプロというもの。
いかに店内が混み合う時間帯であっても、だ。
レストランだった場合、メインディッシュと
デザートを一緒に持ってくる店があるかよ!


しかし、私があえて「反則」をやらかす時もある。
冷酒のチェイサーに熱々の蕎麦湯がどうしても
欲しくなることがあるのだ。
キンキンに冷えた吟醸酒を口に含んで、
すぐに蕎麦湯(濃すぎず、薄すぎずの)を流し込む。
はふー。この世の悦楽、ココにあり。
日本人で良かったぜぇ。


蕎麦屋酒の指南役、杉浦日向子氏が亡くなって、
早いもので、半年以上が過ぎた。
あの博覧強記、書物偏愛ヲタの大家アラマァタと
いきなり結婚していきなり離婚して、
30代後半にして隠居生活を宣言し、
かたくなに蕎麦と酒を一生のパートナーとして、
「お江戸タイムカプセル」に
乗っかったまま、ひらりひらりと
平成の世を泳いでいた粋なお姐さん。
病を得ているとは聞いていたが、
心の片隅で近々復活してくれるような気がしていたのだが。
よっしゃあ。
明日も貴女の分までうまい酒を飲んでみせましょう。



もっとソバ屋で憩う―きっと満足123店 (新潮文庫)

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蕎麦屋酒 (光文社新書)

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