家族という方舟

jazzydays2018-06-27

辻堂で盟友Akoさんと
映画デート。
直近のカンヌ映画祭
パルムドールを受賞した
万引き家族」を見る。
貧しくダサく、
それでいて
えげつないほど生命力にあふれた
寄せ集め家族の
疑似ドキュメンタリー、
といった風情。
設定は現代=平成なのに
昭和の気配が色濃い。


忘れたくって
フタをしてきた
過去の自分の
弱さカッコ悪さ情けなさを
否応なく目の前に
突きつけられるような気がして
居心地が悪いのだが
(自慢ではないが万引きは
生涯ただの一度もナシ)、
役者陣の生々しくリアルな
演技にグイグイ引っ張られ、
スクリーンから
片時も目を離せない。
カタルシスはなく、
観賞後は
せつなさと鈍い痛みが
入り混じった
微妙なモヤモヤ感が残る。


アンチ自民党パヨク
是枝裕和監督の
政治的姿勢と制作意図は
いったんおくとして、
どうしようもなく
逃れようもなく
日本的な作品である。
ハッピーエンド固執
単細胞ハリウッドじゃ
ウケないだろう。
今回の受賞も
斜に構えた
ひねくれインテリが多い
おフランスならでは、
じゃないのか。


たぶん脚本は
アテ書きなのだろうが、
キャスティングが
薄気味悪いほどハマっている。
とりわけ安藤サクラが出色。
彼女は七光りDNAを
とっくに超越して久しい。
そしてリリー・フランキー
ダメ男をやらせたらピカイチ、
右に出る者ナシ。
子役二人は今後
大成するしないに
関わりなく、
無事に育って欲しいです。
あんまり早いうちから
天才で鳴らすと
のちのち大変だしね。
家族という方舟。
彼らが目指す
明日はどっちだ。