仮快気祝い

jazzydays2017-12-05

久方ぶりの遠出。
向かうは麻布。
夫婦経営の
こじんまりした
たたずまいながら、
長い長い歴史を持つ
仏蘭西料理店、
龍土軒である。
二・二六決起の際、
青年将校らが夜な夜な
集っては作戦を練っていた
店として知られる。
訪れるのは三度目。


今回は再発防止治療終了の
仮快気祝いのつもりで
だいぶ前から
予約していたのだが、
思った以上に副作用が
長引いたせいで、
直前まで行けるかどうか
危ぶんでいた。
が。
目の前にニンジンがあれば
頑張れるものだ。
めでたく予定通り
テーブルに着くことが叶い、
感激ひとしお。


メニューは
ムール貝のグラタン。
カリフラワーのポタージュ。
サーモンのアンディーブ包み。
鴨のコンフィ。
グリーンサラダ。
デザート盛り合わせ。
パン、コーヒー。
目と舌の至福。
もちろんお腹いっぱい。


毎度ながら、
食後のシェフ夫妻との
会話が楽しく、
早く帰るつもりが
ついつい長居してしまう。
そうたびたびは通えないけれど、
人生で特別の折には、
どうしてもここを訪れたい。
ホームページはありません。
メニューは昼も夜も
基本的におまかせ一種類。
帝都の良心と職人気質が
息づく稀有な店。
永遠に存続して欲しいと
心から願う。