音楽=魔物。
演奏者=生身の楽器。
音楽に心身を明け渡した器官。
ミューズの下僕。
音楽を生業としていない私だが。
この信念は長年、
揺らいだことがない。
今後も決して
揺らがぬだろう。
言い換えるならば。
ヤバくなくっちゃ
音楽じゃない。
http://d.hatena.ne.jp/jazzydays/20081118
http://d.hatena.ne.jp/jazzydays/20060331
http://d.hatena.ne.jp/jazzydays/20060401
名称が器官(organ)そのものを
意味する楽器がある。
オルガン。
先日のセラピーで得た
ヴィジョンに導かれ、
ようやっと
この作品を読んだ。
- 作者: 山之口洋
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2001/08/01
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以前からタイトルと内容は
薄々知っていたものの、
読めぬまま十年近くの
歳月が経過していたのだ。
それゆえ。
今回の邂逅は
「満を持した」感あり。
コレを読んで
戦慄と同時に
深い共感・感銘を
覚える人は
間違いなく我が同胞。
ほとんど全ページを
紹介したいくらいだが。
とりあえず以下に数ヶ所抜粋。
≪ふつうの意味で感情豊かな、
情感あふれる人間に、
必ずしも聴き手の心を動かす
演奏ができるわけではない。
もちろん技巧の有無とは別の話だ。
日常的な感情を演奏に注ぐことは、
弾き手として
むしろしてはならないことなんだ。
(中略)
日常生活では人間的な感情を
ろくに顕わさないくせに、
巨大な「音楽的感情」を
内蔵している人間が
わずかながらいるんだ。
(中略)
芸術の魔性と言うべきものだ。≫
≪覚えておいた方がよい。
芸術の道で己を高めたいという
真摯な気持ちにこそ、
悪魔がつけいるということを。
悪魔の道は神の道のすぐ隣を通っているんだ。≫
≪「悪魔を探すにはどうするか知っているかい」
「さあ.....どうしましょう。
悪魔に取りつかれた人間でも探すのですか」
「違う。神に似た者を探すのだ。
神の似姿として完璧に近く、
しかも神でない者、
それこそが悪魔なんだ」≫
≪音楽の演奏に関して、
とりたてて奏者の属性やアプローチを
議論してもしかたないさ。
いま奏でられ、鳴り響いている「音」だけが
音楽のすべてなんだ。
他になにがあるというんだ。
言葉で音楽のそばに寄ることはできるけれど、
音楽の髄には触れようもない。≫
≪オルガニストになれないなら、
人間に戻りたいとは思わない。
ぼくは音楽に − オルガンになりたい。≫
「ぼくは音楽になりたい」
「音楽家」じゃないよ。
「音楽」だよ。
生身という牢獄に
魂を閉じ込められた者の叫び。
君はどうして。
この世になんぞ
生まれ落ちちゃったんだ。
しかし。
それこそが天才の本質だろう。
ああよかったわ凡人で。
ただ。
こんな私でも
時折チラリと
「ナニか」が
目の前をかすめることがある。
その瞬間、
音楽家たちの苦悩が
ほんの少しだけ
垣間見える気がする。
私の場合?
それはね。
メルクリウス(水星)の影法師。
わかる人にはわかるよね。
画像は昨晩の野毛。
本日の召喚儀式@裏倉庫。↓
http://ameblo.jp/jazzydays/day-20090407.html