マーラー@鎌倉芸術館

jazzydays2006-02-19

チョン・ミョンフン指揮、
東京フィルによる
マーラー交響曲第9番を
鎌倉芸術館にて鑑賞。
本番前に公開リハーサルが
あるというので(先着200名)、
「それは絶対に見逃せん!」と
早めに家を出る。


リハ後、入場者との
質疑応答コーナーが設けられた。
マーラーの9番=ベートーヴェン
第9やブラームスの4番と同様、
音楽的に大変優れた
作品であるのみならず、
作曲家の全人生(his whole life)を表している」という
チョンの言葉がとても印象的だった。
私も実に実に同感なので。


本番は予想をはるかに上回る熱演。
最初から泣く気満々で行った私だが、
滂沱の涙・涙・涙で舞台がにじんで仕方ない。
声を上げて号泣したいところだけれど、
ここはジャズクラブではなく、クラシックの演奏会場。
グッとこらえて、オケの一音一音に耳を澄ます。
周囲にも目元を拭っている聴衆がチラホラ。
が、その一方で爆睡している奴らも。
マーラーが命を削って書いたこの作品が
子守唄になるなど、全くもって信じがたい。
寝るくらいなら来るんじゃねえ!!!!!


消え入るように、死に絶えるように、最終楽章が終わると、
ステージ上も客席も、しばしの静寂。
一呼吸おいて、嵐のような「ブラヴォー!」が沸き起こった。
ここでも、またまた涙・涙・涙。
当然、スタンディング・オヴェイションなのである。


あああ。いい涙を流させてもらった。
ありがとう東京フィル、ありがとうマエストロ・チョン。
そして最大のありがとうを作曲家グスタフ・マーラーに。


公演後は口も聞けないほど(一人で行ったんだから話す相手もいないけど)
ぐったり。足元もヨロヨロ。目は泣きはらして真っ赤。
夜は堀秀彰トリオを上野GH9で聴く予定でいたが、
どうにもこうにも力尽きてあきらめる。
今日のドラマーは最愛の広瀬潤次だったので残念。
まあ、一日に二つも豪華な御馳走を味わうのは贅沢すぎかもな。