ピカレスクの美学

jazzydays2018-01-15

小正月である。
本来ならば。
この日が成人の日。
言葉に言霊があるように。
数にも数霊がある。
本来。
祝日と数霊は切り離し不可。
よって。
我らがハラカラの
霊格は下降する一方じゃ。


すっかり早寝が
定着しちまった昨今だが、
真夜中BSプレミアム
無理やり見たプルカレーテ演出、
佐々木蔵之介主演の
「リチャード三世」は
とっことん掟破りで破天荒。
観賞後、
なっかなか寝つかれなんだ。


シェイクスピア
暴力的な解体=革新的な再構築。
単に原作を読んだだけ、
ごくごく無難な解釈の
舞台を見たことがあるだけ、
という人々は
度肝を抜かれよう。
ってか。
ワケわからんだろう。
ズバリ。
シェイクスピア初心者には
全くオススメしません。


もっともと。
この作品は
悪意と憎悪と裏切りと
とてつもない孤独を
煮詰めたエッセンス。
んでも。
まぁココまでやってくれるたぁね。
アンを演じた手塚とおるが出色。
毒々しく愚かしく麗しい。


シェイクスピアの時代、
女優は存在しなかった。
能や歌舞伎と同じ。
ゆえに。
オール・メール・キャストでの
上演は非常に腑に落ちる、
どころか。
女性性のプラスマイナスは
男が演じることによってこそ、
普遍化がなされる。


不肖キツネ、
シェイクスピアの作品では、
悪役が大好物なんざます。
「オセロ」のイアーゴー。
リア王」のエドマンド。
「タイタス・アンドロニカス」のアーロン。
マクベス」のマクベス夫人。
そして。
全作品中いっちばん
惹かれるのがグロスター公、
リチャード三世。
ピカレスクの王者。
美学の中の美学。


十数年前までは。
シェイクスピアと聞けば
大劇場から小劇場まで、
蜷川はじめ国内外の
演出家による舞台を
むさぼるように
見ていたもんである。
ちなみにいまだ
彩の国さいたま芸術劇場の会員だす。
これを機に。
そろりそろりと復活しようかな。