昭和なロケンロー

先週土曜日。
本格的に再始動した
ザ・ロッカーズ
ライブを下北沢で聴く。
解散コンサート以来、
実に37年ぶりだ。
聴衆は思いっきり年齢層高め、
リアルタイム世代がほとんど。
陣内が開口一番、
「男ばっかりじゃねえか! 」
と笑う。
上等だぜ。
野郎が惚れるバンドに
間違いはないと昔っから
相場は決まってんだ。


演奏は
「休日のお父さんバンドにはしない」
「 同窓会にはしない」
と陣内があらかじめ
言っていた通り、
徹頭徹尾スパークしまくり。
中でも愛してやまぬ
「フェナー先生」
「キャデラック」
「ジャッキー」
に不肖キツネ狂喜した。
これらを再びナマで
聴ける日が来ようとは。


5人中、
オリジナルメンバーは
陣内と穴井の2人だが、
タテノリ奔流で
ぶちかますビートは
まごうかたなき
ザ・ロッカーズ
何度もアンコールにこたえ、
ラストのラストで演奏された
「涙のモーターウェイ
には号泣を禁じえなんだ。
汗と涙がダラダラ
口に流れてきて、
しょっぱい。


なあ陣内。
もう役者やめてもイイんじゃね?
還暦も過ぎたことだし。
ロッカーズ
思いっきり残りの人生、
突っ走ってもよくね?
思い返せば。
お前さんが
「あまく危険な香り」や
「おゆう」で
救いがたく大根な
演技してた初期も初期。
こりゃ長くは続かねえな、
と正直思ってたんだわ。
それが。
「ちょうちん」で
見る目が変わった。


んでも。
不肖キツネにとって、
陣内孝則
あくまでもロッカーズ
陣内孝則であり続けた。
「もうすぐAMEXの
ゴールドが手に入る」
とか何とかお前さんが
ホザいた時には
耳を疑ったぜ。
あの陣内がぜんっぜん
ロックじゃなくなっちまったな、と。
しかも結婚相手は
モデルと来たもんだ。


まあいいや。
こうして帰って来てくれたんだ。
見たろ?陣内。
50過ぎのオッサンたちが
こぶし振り上げて
お前さんと一緒に歌ってんのを。
40年近くたっても、
ぜーんぶ歌詞を覚えてんだぜ。
寄る年波をモノともせず、
開場から終演まで
ずーっと立ち通しだぜ。
大したバカヤロウじゃねえかオレら。


ロッカーズの魅力は
B級っぽさにあると
よく言われる。
だっさい歌謡曲チックな
曲も結構ある。
が。
日本人ならではの
琴線にふれる
昭和感満載なんだよな。


これまで有名人が死んで
一般人が葬儀に行くのが
全く理解不能だったけど、
陣内が死んだら、
これなる古ギツネも
そんな気になるのかもしれん。
同じ時代を生きた
昭和の体現者として。
ともあれ。
スタンディングのライブに
耐えられる体力がある限り、
死ぬまで聴くぜ。
行くぜ。
ロケンロー。