時代のレジ締め

書きたいこと、
言い残しておきたいことは
ヤマとあるんだが。
毎晩9時過ぎには
寄る年波で
ダウンしちまう昨今。
それに。
聞く耳もつヤツもいねえ。
いいか。
オレは伝説なんだよ。
ジャズ。
ロック。
クラシック。
シェイクスピア
三島由紀夫
寺山修司
右翼。
横浜。
横須賀。
卵巣がん
膀胱がん。
ミニスカ。


死んでっから
「あれも聞けばよかった、
これも聞いときゃよかった」
と吠え面かくな。
平成のうちにケリ、
なんだろうか。 
まるで駆け込みのように
続々巨星墜つ。
不肖キツネを構成する要素の
大部分は平成より昭和なんで、
そんなに時代への哀惜は
なかったんだが。


つい昨日。
19の頃っから通った
近所の蕎麦屋
店主の高齢を理由に
平成いっぱいで
店を閉めると知り、
ただならぬ喪失感。


いつか。
こんな日が来るとは
思っていた。
が。
いざ目前にすると
どうしていいのかわからない。
海外で真っ先に恋しくなった味。
2杯目のレモンサワーが
黙っていても出てきた店。
洗い髪、
濡れたまんまで行けた店。
マイ・ソウル・キッチン


蕎麦のみならず、
ラーメン、カレー、
海老フライ、とんかつ。
街のファミレス的存在だった。
しかも。
社長みずから毎日出前まで。
淋しいけれど、
お疲れ様でしたと
言うほかない。
時代のラスト、
レジ締め。


ノートルダムの火災は
実に不幸ではあるが、
これまた時代の変遷を
象徴している。
2011年2月。
東日本大震災に先立って起きた
ニュージーランドの大地震
その中心地の名はChrist Church。
まんま。
キリストの教会である。
よもや。
自分が水瓶座の時代を
観念のみならず実際、
目の当たりにできるとは
思ってもみなかったが、
もはや。
絶対的な神に支配された
魚座の時代は終焉なのだ。
詳細は拙著および
ユングの「アイオーン」をば。